出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
出口王仁三郎全集 第8巻 全8巻(復刻) | 1999.03 | 捨鉢 | 出口王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 27歳 和歌実作 |
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本文 文字数=1378
捨鉢 二十六七歳の頃
{1897年 明治30年 27歳 7月 父、上田吉松帰幽}
稲みのる秋の田の面に親鳥にはなれて一人鎌もつ若き日
霜のあした雨の夕べをひしひしと淋しさ迫る父なき吾には
稲みのる秋の田の面に茫然と鎌握りたるままにたたずむ
あかあかとうれたる柿の梢にも心いためぬ亡父を思ひて
霜降りしあしたは思ふたらちねの父と大枝の坂越えし日を
白梅の花もみ空の月かげも観る気にならず親なき吾には
野に山にいそしみ給ふははそはの母のすがたの何かさびしも
八人の家族のこして神さりし父のこころをしのびてなみだす
○
世の中の一切萬事いやになり捨鉢気分で浄瑠璃にふける
節のなき根深太夫とそしられてなほこりずまにうなる浄瑠璃
目の見えぬ吾妻太夫の家に通ひ無精矢鱈にうなりつづけし
めしひたる吾妻太夫は大阪の文楽座よりくだり来しひと
○
親戚のひとびと来り正式の妻をめとれと勧めてやまず
正式も准正式もあるものか自由結婚せむとてこばみぬ
親戚の言葉きかねばこれからは勝手にせよとて怒る治郎松