出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
出口王仁三郎全集 第8巻 全8巻(復刻) | 1999.03 | 夢現 | 出口王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 25歳 和歌実作 |
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本文 文字数=1564
夢現 二十五六歳の頃
{1895年 明治28年 25歳 秋 安達志津江との恋愛}
恋人を京阪両地にさらはれて一人さびしく牛飼ひにけり
糞汁にまみれて朝夕牛を飼ふ若き日の吾血は燃えさかる
里の女は数多あれども彼女等にくらべて胸の血は湧きたたず
浄瑠璃の稽古をはりて帰るさの辻に彼女のまぼろしを見し
ああ君と云ひよる刹那に煙のごとパッと消えたる気味悪さかな
わが魂は彼女にかよひ彼女の魂はわれにかよふか毎夜夢見る
縁あらばまた逢ふことのあるべしと果敢なきことを頼みて慰む
○
妻帯をすすめられても何となく心むかざり彼女をおもへば
あちこちの家に浄瑠璃会ありて吾もかがさず出演をなす
浄瑠璃の吾が声よしと田舎女が銅貨づつみを雨と降らせり
見台に裃つけて端坐しつかたりいだせば拍手のあられふる
三味線ひきは老いたる女吾はまだ二十六歳の青年なりけり
いつとても耻かしく思ふは浄瑠璃の文句の末の泣き落しなりけり
しがみたる顔を女に見せまじと泣く場所のみは三味線で誤魔化す
滑稽なお俊伝兵衛の猿廻し与次郎語るがはづかしかりけり
浄瑠璃の稽古の友は十二人隣の村までかたりに出でゆく
隣村で浄瑠璃語るをりもあれ意中の女を不図見とめたり