出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
出口王仁三郎全集 第8巻 全8巻(復刻) | 1999.03 | 名残 | 出口王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 25歳 和歌実作 |
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本文 文字数=1291
名残 二十五歳の頃
{1896年 明治29年 26歳 斉藤いのとの恋愛}
懇切な姉の依頼の手紙みていのちの恋を捨てしわれかな
男らしく恋は捨つれどどこやらに名残惜しさの背骨がいたむ
垂乳根の父は吾が子と提げくらべしたりといひて憤慨なし居り
恋人を他人にとらるる弱き男末の見込みがたたぬと父いふ
遠くともみづから行きて結婚を破りて来よと友そそのかす
恋びとをとらるるごとき弱虫は青年会をのぞくと友いふ
○
牛乳の得意が大切一朝もかかせぬわれの身こそつらかり
恋愛と事業と二つくらべあひ吾はいのちの恋を捨てたり
貧しければ恋もかなはぬ世の中と知りて朝夕事業にいそしむ
恋捨てしこころの苦しさひねもすの業ををはりて浄瑠璃学ぶ
夜な夜なに吾妻太夫の許にゆきて浄瑠璃稽古友となしけり
浄瑠璃の恋の文句につまされてわれ時折に忍び音に泣きぬ
黄金の万能力の社会には南瓜も美人をめとりて澄ませる
地位と金とばかりが結婚すなる世は今業平の君ももてなく