出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
出口王仁三郎全集 第8巻 全8巻(復刻) | 1999.03 | 相聞 | 出口王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 25歳 和歌実作 |
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本文 文字数=1547
相聞 二十五歳の頃
{1896年 明治29年 26歳 斉藤いのとの恋愛}
真夜中に雪踏みわけて想ふ人の家にかよひぬ二十五の春
二十五の春迎へども初初しく子供のやうだといへる彼はも
あまりにも人目の関のたかければ小暗き薮の細道ゆかよふ
ふつくらと肥えたる彼女の白き顔闇の夜半にも目の前に浮けり
につこりと笑める彼女の面ざしに暫し忘れぬ貧しき生活も
親と親の許しをうけてあからさまに添ひ遂げばやと手を握り泣く
朝なさな得意に牛乳配りをへて少しの間さへ逢ひて楽しむ
田舎にはたぐひまれなる美人よと噂聞くたび胸とどろきぬ
吾が外に彼女を恋ふる人あらば如何にせむかと心いためし
色白きか弱き女はめとらせじと叱言いひ出しぬ頑固なる父
わが家は百姓なれば尻ふとく色黒き女が適すると父いふ
たらちねの父の言葉に叛くべきみちはなけれど忘らえぬ彼女よ
恋といふ味はひ彼女に逢ひてより深くも深くもさとり初めたり
牧場は稲田隔ててむかひあへり朝夕遠く見合ひてほほゑむ
玉の緒のいのちの綱を握りあひし二人のなかに雲霧もなし
今しばし待たせ給へよひとり世に立つとき来れば晴れて添はまし
覚束なわが独立をたのしみて待てる彼女はいとしかりけり