出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
出口王仁三郎全集 第8巻 全8巻(復刻) | 1999.03 | 背輪 | 出口王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 21歳 和歌実作 |
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本文 文字数=2004
背輪 二十一二歳の頃
{1891年 明治24年 1892年 明治25年 21歳、22歳}
共有の野山に入りて青柿の渋しぼり取り町に売りゆく
柿の渋売りて小銭をまうけしと柴の友よりいやしまれける
柿の渋売りし金子で書籍買ひ仕事の休みに読みふけりけり
○
思はずも山の柴刈る松のしたに松茸三本見つけてよろこぶ
柴の荷に松茸つるしかへるさに兼さんが見て盗んだといふ
いかほどに辯解すれど兼さんは野山に菌は生えぬと頑張る
盗人の名をつけられて腹を立て現場に兼さん連れだちてゆく
松茸を抜きたる跡の穴示しやつとうたがひはれしうれしさ
○
五月雨のはげしき日なりき垣の外の竹の皮拾ひて毒蛇に咬まる
わが足を咬みし毒蛇をひきさきて傷所につくればすぐに治りぬ
百姓の賤のせがれは蜂に刺され蝮や蜈蚣にいつもなやみぬ
○
夏されば野川に篭を持ちゆきて鰌や鮒をあさりたのしむ
沢山の鰌をとりて村びとに漁師の子よとわらはれにける
魚とりをしても充分生活が出来ると友はあきれゐたりき
如何したらそれほど沢山漁りが出来るか教へてくれと友いふ
背の輪をおろせば魚はいくらでもとれるといつて笑ひ答へぬ
背の輪は何だと聞かれ臭いもの嫌ひな仏よと笑うて答ふ
魚を食ふよりも捕る趣味多かりき殺生するなと祖母は戒しむ
細溝に鰌つかまむと手さぐりに鰻とおもひ青蛇つかむ
おどろいてキヤツと一声叫びつつ泥田のなかに尻餅をつく
手も顔も泥かけ地蔵となり燮りドブンと池に飛びこみ洗ふ
飛びこみし池の古杭に尻をうちチンバひきひき家路にかへる