出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
出口王仁三郎全集 第8巻 全8巻(復刻) | 1999.03 | 下僕 | 出口王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 15歳 和歌実作 |
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本文 文字数=2189
下僕 十五六歳の頃
{1886年 明治19年 16歳 春 斉藤家の奉公を辞め、隣の小島家に奉公}
凍柱たつ麦の田に霜ふみて肥料をやれば手足こごれり
肥料一荷麦の田にかけ帰るさに昇る旭のあたたかみかも
白白と霜おく野辺もかつぎたる肥料の重さに汗にじむ肌
○
藁をきざみ糠にまぶして牛にやる朝したしきうまやのおもて戸
閂をはづして牛を牽きいだし夕べの小川に追ひ入るる夏
朝夕にこきつかはるる百姓の下僕のわれの牛に似しかな
ものいはぬ牛とかたりて夕暮の山路淋しく柴刈りてかへる
○
霜柱たてる朝に柴を刈る農家の下僕はくるしかりけり
山焼けの跡の枯木を刈りとりて村の男の子にどなられしかも
独り立つ身分ならねば百姓の下僕の業にいそしむ朝夕
垣一重へだてて父母はありながら訪ふひまもなぎ下僕なりける
○
近眼のおやぢが田芋とあやまりて梅干皿にもり食ふをかしさ
まけをしみ強きおやぢは梅干が大好物と顔しかめ食ひぬ
一皿の梅干を食ひて喉かわきやたらに水をがぶがぶのめる
このおやぢ丹波与作と名告りつつ力自漫で角力とりたがる
近眼のおやぢを幸ひ掌に墨ぬりつけて顔にとびつきし
日の暮か何だか顔がうつとしいなどと近眼が墨顔なでる
手を拍つて笑へばおやぢ感づきてコン畜生奴と追ひかけまはる
逃げながら縄ひきをけば足にかかり近眼のおやぢどんとこけたり
コン畜生もう料簡はならぬぞと血を出しながら地団駄を踏む
生活に苦しき若き身ながらもいたづらのみは忘れざりけり
○
氏神の祭の太皷をかつぎだし厠の中に打ちてしからる
人魂が出ると村中ふれまはし薮にひそみて灯をともしたり
瓦斯燈に青紙はりてつき出せば石なげられて吾が顔傷つく