出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
出口王仁三郎全集 第7巻 全8巻(復刻)1999.02湯ケ島静居(4)出口王仁三郎参照文献検索
キーワード: 和歌実作
 
本文    文字数=1910

朝まだき八ツ手広葉に雨ありてかそけき音を聞くわが窓辺
雨のあし釜石山にかかりたり庭の百木に枝蛙なく
夏草のしげれる土手を歩みつつ真葛の蔓に足からまれぬ
濃緑の釜石山の中腹にしろじろ咲けりしばぐりの花
天青く地また青きこの夏を旅にありつつ思ふことなし
釜石の山の尾上に白けたる月ほのみつつ朝の湯に入る
山雀の声はすがしく朝庭にきこえて夏の雨あがりたり
瀧津瀬の音にまぎれず杣人の杉伐る斧のおと冴ゆる朝
温泉の筧をもるる湯のしづく掌にうけて遊ぶ子ろあり
ひとむらの竹を残して釜石の杉生残らず伐りとられけり
湯殿山背に陽は落ちてくろぐろとわが窓のべにかげ襲ひ来も
湯殿山尾上を渡る白雲は雨をさそひてたそがれにけり
向日葵の花ことごとく傾けりあかつき雨のつゆをおもたみ
岩をかむ早瀬のしぶきしろじろとかがやきにつつ雨あがりたリ
トラツクに杉の丸太を満載し沼津に運べりこの温泉の里より
雨はれの伊豆街道をどよもして鉱石はこぶトラツクはゆく
地の上に緑樹のかげを描きつつ空すみわたる夏の夜の月
さみどりの庭に一本あかあかと百日紅の花はにほへり
いたづきて温泉にあるわれを知りながら歌送れとは心なきかな
もくもくと湧き立つ渓間の白雲を見つつ思へりわがなさむこと
夏ながらこの湯ケ島は珍らしも夕さり来れば蟋蟀の鳴く
遊ぶてふ事は苦しきものなりとつくづく思ふ温泉の宿に
帰らむ日いよよ近づき湯ケ島の空はまさをに晴れわたりけり
土産物売る家もなし湯ケ島の温泉の里はむかしめきたる