出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
出口王仁三郎全集 第7巻 全8巻(復刻)1999.02湯ケ島静居(1)出口王仁三郎参照文献検索
キーワード: 和歌実作
 
本文    文字数=2107

忙しき吾が身ながらも時を得て今日憧憬の湯の里に来つ
いたづきの身をいやさむと国遠くさかりて吾は湯ケ島に来つ
古びたる家居なれども住み心地われによろしき川沿ひの家
天城嶺の谷間に雪や残るらむ狩野の流れの水は冷たき
天城嶺ゆ吹きおろすらむ狩野川の土手吹く風のいたく冷たき
奥伊豆は風寒ければ桑畑の桑の芽いまだつぶらなりけり
渓川のかたへに石垣めぐらしてわさびをつくる奥伊豆の里
夕焼の雲はつぎつぎひろごりて湯ヶ島の空ほの明りつつ
土産もの何一つなき湯ケ島の温泉の里はこころやすきも
ほのにがき野生の独活に朝夕を親しみにつつ湯の宿にゐる
いたづきを癒さむとして湯にあそぶわれを気づかひ妻は訪ひ来ぬ
山青く川風きよき湯ケ島に吾妹子とゐて河鹿にしたしむ
湯の宿の窓をふさぎてそそりたつ太き榎に若芽もえつつ
玻璃窓にかけたる白きカーテンに松を描きて陽は山に入りぬ
迫り来る夕べの風の冷やかさげんのしようこを煎じて飲むも
朝津陽は釜石山にさしそひてほのあかりけりわが温泉の宿は
かけ渡す筧の水をぬきはなち熱き温泉にさして浸りぬ
いたづける身をよこたへて湯の宿の窓ごしに見る若葉はすがし
伊豆の湯の旅にうれしく見たりけり葉がくれに白き山桜花
どんよりとみ空曇らひ宮の杜になく山鳩の声はおもたき
久方の天より地より黄昏れて釜石山は見えずなりけり
日ならべて降る春雨に小庭べの岩松の葉はいきほひのよき
狩野川の速瀬の水はぬるみつつすいすい上るあゆの子の群
新緑は萌え出でたれど朝夕はまだ風さむき湯ケ島の宿
蕗蕨篭にみたして帰り来る里のをみなは草鞋はきてをり
おちつきて雨の一日を歌詠みぬわれ湯ケ島の温泉の宿に