出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
出口王仁三郎全集 第7巻 全8巻(復刻)1999.02叡山出口王仁三郎参照文献検索
キーワード: 和歌実作
 
本文    文字数=2523

僧房のあさげの膳にいむかひて精進料理こころ足らはず
夏木立小暗きまでにしげりたる比叡の高山蚊のこゑもなし
叡山に登り来てさびし路のべに山紫陽花の咲けるを見たり
われゆけばつぎつぎ来る山駕篭の淋しくくだる雨の坂道
駕篭よ駕篭よ駕篭に召せよとかごかきがわが行く道にたちふさがりぬ
さつと吹く風に杉生の露散りて僧房の窓をななめにたたく
木木の花みな散りはてし山路に山紫陽花のはなをゆかしむ
まだ雨の降りやまぬらし鉾杉に這ひ上りたるひとすぢの蛇
白きシヤツ着たる男子の三四人林間学校の庭掃きて居り
ゐながらに琵琶の湖水をながめやるこの僧院の夕ベすずしも
校正につかれしわが目のころころと痛む夕べを僧院にねむる
大沢の瀧の真下の広池におよげる鯉のしづかにひれふる
きらきらと夕陽に映ゆる洛陽の街を真下に見つつ佇む
鴬の啼く音すがしき坂の辺にうぐひす笛を売る店のあり
ヴエランダにわれ立ちをればアカシヤの梢そよぎて蝉時雨すも
ケーブルを出づれば比叡の山なみをつつみて白く霧のながるる
叡山の夏のすずしさしみじみとこころ落ちゐて歌に楽しむ
吾がまなこ冴えにさえつつ宿院の小夜のくだちを雨ききてをり
よごれたる煎餅ぶとんにくるまりて寝る宿院の夜のさむさかも
洛陽にかへらむ道をきらら坂なかばのぼれば山雨の降る
延暦寺大講堂のにはの面は夕雨そぼちてしづもれるかな
宿院の窓おそひ来る山霧のはるる間もなく夏雨いたる
夏ながら比叡の御山の宿院にタベを寒み重ね着をする
宿院のあした清しみわが一人さまよふ庭に老鴬の啼く
比叡山尾上に雨はふりながら鳰の湖の面真陽にかがよふ
宿院の雨ふる庭にしろじろと山紫陽花の花うつむける
毒もつといへる馬酔木のつぶら実を山の小鳥の来てついばめる
踊りたく音頭とりたく思ふかな比叡の高嶺の月下の庭に
大杉のこずゑになける夏蝉の声かすかなり雨さむき山
竜王の瀧のしぶきはうすものの衣を透して凉しかりけり
苔むして神さびたてる大杉の木かげ凉しみ駕篭のりくだる