出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
出口王仁三郎全集 第7巻 全8巻(復刻)1999.02夏清新出口王仁三郎参照文献検索
キーワード: 和歌実作
 
本文    文字数=2342

朝の陽の玻璃戸ななめにさし入るにまぶしくゐたり文机のまへ
のびのびて窓辺をぐらき月桂樹のこずゑ払へばかをる朝風
庭の面に夾竹桃のあかあかと花咲きみちて窓辺あかるき
むし暑くみ空曇れり朝庭の芝生かわきて露だにもなし
移し植ゑし若苗向日葵まひるまを萎へうつ伏すひた土の上に
半夏生はやちかづきて南桑の麦生の小田はみづ田となりぬ
天地は寂然としてかすみたり水田の蛙たか鳴きに鳴く
百日紅の庭木は地になじみけむ今年の夏はこずゑしげきも
青葉かげに夏を凉みし庭の面の檪はあはれ伐られけるかな
青葉ひかるくぬぎ林に風もなく夕やけぐものあかきしづもり
うつろ木の花親しみて朝庭にわれ立ちをれば老鴬の声
城跡の高石垣をとざしつつ夏を匂へるさくだみの花
白うさぎ庭にはなてば若萌えの木賊はつひに食はれたりけり
庭土にくまなく生ひし青苔も土もろともに真陽に割れ居り
銅屋根を叩き葺くおとさやさやに響かひ来るさやにさやさやに
噴水をみつつ立てれば風ありてつめたき雫わが面におつ
虎杖の高く伸びたる下道ゆ空を仰げばかかるおほたき
むくむくと砂ふき上ぐるわきみづの浅き清水に親しむ真昼
トマトーのかをりゆかしき朝ばれの畠に立ちて夏を親しむ
わが庭の南瓜の花に蜜蜂のとまりてうなる朝は凉しも
水打てば庭木のかげに網はれる宿蜘蛛ひとつ飛びいでにけり
高殿に清水をひきてこの夏をわれ楽しもよ思ふことなし
真昼間を鶺鴒来りてあそび居りわが庭めぐるやり水のそばに
外濠のつつみに立てば夕つ風そよろに吹きて夏はすずしき
大いなる虹をみ空に描きつつ夕陽静かに山におちたり
独り寝の高殿の夜は更けにつつ庭木の梢に梟の啼く
水害のあとつくろひし堤防のかがやきしろし青田のなかに
雲の峰むらむらたちて遠浅の海のおもてのうす濁りつつ
   ○
ひしひしと迫る凉味、夕べの農園を去りがてにゐる