出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
出口王仁三郎全集 第7巻 全8巻(復刻) | 1999.02 | 蒙古行 | 出口王仁三郎 | 参照文献検索 |
キーワード: 和歌実作 |
本文 文字数=1570
蒙古行
大正の甲子三月三日のあさわれふんぜんと蒙古にむかふ
十萬の兵をひきゐて蒙古に入るわが銀鞍を照らすつきかげ
馬の腹どろにひたりて身うごきもならぬ月夜を敵襲ひ来ぬ
喇嘛廟のにはの白砂箒目のただしくつける暁のすがしも
目路のかぎり山羊しろじろと群れて居り喇嘛廟高く聳ゆる野の面
喇嘛廟にうす日かげりてひともとの冬の枯木は風に揺れゐつ
川はみな春の氷のあつければ荷馬車つづきて越えゆくが見ゆ
蒙古女は写真を嫌ひなかなかにわがカメラには入らず迯ぐるも
いくさびと数多ひきつれ九日の月のひかりに駒すすめける
朝津日のひかりきらめく蒙古野につゆふみわけて軍進めし
ノホンモトホントルモトの木下陰に駒憩はせて地図披きみる
大英子児の兵不利にして敵すでに索倫山ちかくおしよせ来る
張猿三張桂林をひきぐしてわれ先頭に立ちてたたかふ
あかあかと山一面に李桃の花にほふ蒙古の初夏は清しき
牛糞をたきて芋など焙り食ふ蒙古の野営に月冴えわたる
数十頭の山羊追ひて行く牧童は馬上しづかに口笛吹けり
風強き五月の蒙古は萬丈の黄塵空に捲き上げて吹く
蒙古野も夏さり来れば草むらに名も知らぬ虫のかすかに鳴けり
目路の限り青草茂れる荒野原に群がる山羊の波のごと見ゆ