出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
月鏡 (復刻)1995.10.01肺病について出口王仁三郎参照文献検索
キーワード: 性欲
備考: 月鏡 八幡-P.458 天声-P.261 -
ルビ付き本文:
王仁三郎資料センター
 
本文    文字数=2053

 肺病になま葱が効能あることはかつて話しておいたが、それには一つの条件が伴ふので、その条件と云ふのは男女の交はりを断つ事である。断つと云うても一生涯たつと云ふのではなく、病気の時だけで、全快した後は勿論差し支えないのであるが、その辛抱が出来ないで、みすみす大切な命を失ふ者があるのは情ない事である。肺病の中でも喀血するのは一番性質のよいもので、悪いものをみな喀き出してしまふのであるから、性交さへ慎んだらきつと癒るのである。
 今は昔の話となつたが、京都にNと云ふ男があつて、人妻であるTと云ふ女と通じて、不都合のありたけをつくす。Tは全く亭主を尻に敷いて、情夫と共にあれせい、これせいと命令を下すと、お人好しの亭主は諾々としてその命令に服従すると云ふ風で、全くお話にならぬ。私がやかましう云うて叱つてやると、その時は神妙に改心するのであるが、しばらくすると、また本の木阿弥、これは双方に夫婦の狐がついてゐたのである。Nは肺病にかかつてゐたので、「男女の交はりをたたぬと三年のうちに命が終はるからよせ」と云ふと、「仰せの通り三年にして命が終はつてもよろしい、好きな事をして死にとう御座います、好きな事せんくらゐなら生きてゐても仕方がないのです」と云うて聞かなかつたので、とうとう死んでしまつた。狐の生活をしやうと云ふのだから仕方がない。その狐がまたある人に憑依してしまつたのだが、その人は神の道にゐながら、性的生活に没頭してしまつて、人間の能事了はれりと云ふ有様である。人間が肺病にかかると、とかく情慾が昂進するもので、これを抑へ切る勇気がないと到底助からぬのである。