出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
大本史料集成 全3巻1982.06(第1巻)、1982.09(第2巻)、1985.08(第3巻歴史 昭和神聖会創立池田昭・編参照文献検索
キーワード: 二次事件裁判 昭和神聖会
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問 それから会員も一万四、五千人あると云ふことも認める訳だね。
 昭和神聖会のことは四十八回の二の所に詳細のことに付ては書いてある、此処にある──「私は昭和九年の一月より横浜市の根岸町の滝上の関東別院、静岡県の田方郡湯ケ島の伊豆別院、それから東京市の杉並区の紫雲郷別院等に時々滞在して、東京及び横浜の各方面の人から話を聴いて、又新聞記事に依ると日本の情勢、政治的に於ても経済的に於ても行詰つて居つて政党の腐敗、経済界の逼迫、外交の不振、少壮軍人の脱線、内閣の不信用、軍縮会議脱退等があつて、日本国内の内乱が起るとか、日本と外国との間に戦争が起るやうな気がしますので、昭和青年会を中心として大本を支持する大衆団体を作り大本の基礎を確立し、日本国内に内乱が起り、又は日本と外国との問に戦争が起つた機会に大本の目的であるミロク神政を成就せしめようと考へ、昭和九年の七月六日に関東別院に大深浩三と深町孝之輔、国分義一、内海健郎、岡本霊祥、林次郎の六名を集めて昭和神聖会を創立するやう命じ、同月七日東京市日本橋区の料亭の常盤に於て私、出口伊佐男、大深浩三、深町孝之輔、御田村竜吉、米倉嘉平、米倉恭一郎、河津雄次郎、内海健郎、岡本……。」
答 判つて居ります。出来るだけ略して下さい。
問 判つて居るか、是々だね、「集つて、会合して昭和神聖会の創立委員会を開催し、其の席上に於て、私は、『今日の日本の情勢は非常に行詰つて居る故、神業成就の為大本は大衆に土台を持つことにせねばならぬので、昭和神聖会を創立するのでありますから、創立に付て協議して貰ひたい』と述べ、大深浩三が声名書、主義綱領等及び会則等の草案に付て説明を為し、集会者一同が大体承認したので、私は御田村竜吉を昭和神聖会創立準備委員長に、米倉嘉平を同副委員長に、専任委員に大深浩三、委員に河津、是等の人を命じて創立準備を為さしめ、同年七月二十二日九段下の軍人会館に於て昭和神聖会の発会式を挙行して同会を創立し、私は発会式に於て参集者に対し、『如何なる難関に遭遇するとも初心に向つて邁進する詰りであるから、援助を願ひたい』と挨拶をしました。」
 「私は昭和神聖会の統管として」……創立の纏末だね、「私は統管として昭和七年の十月十日二統管随筆と題しました単行本を発行しました。」
 其の中に色々書いてあることをずつと説明して居りますがね、是はちよつと言ひますかね。
答 はあ。
問 其の四頁には、「絶対服従は天下統治の大本なり。私意を加へ言論を為す者は、断然除名して神聖会の統制を保つ覚悟を要する」と書いてあり、五頁には「天上の月も日も一体だ。地上の主権者も亦一柱なるが真理だ。神聖会亦統制上一人の独裁を要する」と書き、九頁には「神聖会員は総て統管の命令に絶対服従すべきである」と書き、第十三頁には、「議会主義は駄目だ、独裁政治に限るのだ、殊に日本は君主専制の神国だ」、十九頁には、「大事を為すものは光鋭強化せる一団体の威力だ、どうしても一つの団体が強くならねば駄目だ、さうなれば外の団体は後から付いて来るやうになる」とあり、二十七頁の「会員は憲法の定むる道に依つて多数の国民の賛同と認識を獲得、それに依つて日本国民に相応せる大日本国を造り、此の時期を招来せむとするものである」とあり、二十八頁には、「一千万人の理解ある賛同者を獲得する迄は決して褌を緩めてはならぬ」と書いてありますね。
 さう書いてありますね。
答 それは天にも太陽がある如く、此の日本も一天万乗の君がある如くに、団体も矢張り一つの統制者があつて其の者の言ふ通りに聴かなかつたらばら/\になつてしまふ、と云ふ意味であつたのですから、それを妙な方へ取られたのです。
問 予審では斯う云ふことを言うて居る。
 「今の説明に付ては、此の四頁から九頁迄に書いて居る点は、神聖会員は私の命令に絶対服従すべきものだ、と云ふ意味であります。」
答 それはさうです。
問 「地球は一人の主権者に依り統治するのが真理であり、神聖会も私一人の独裁と云ふ意味である」、是もさうだらうね。
 「帝国議会の制度は駄目である。独裁政治に限る。日本は神の霊代たる君主、即ち私の専制の神国である」と云ふ意味である。
 是はちよつと……。
答 私は、其処の所は政党政治の意味やつたけれども、間違つたのです。
 「自分の専制にしなければならぬ。君主国にしなければならぬ」と云ふのは、それは違ひます。
 詰り、一つの神聖会を率ゆる為に、其処を強く言つたのです。
問 「ミロク神政を成就する為には昭和神聖会を強化しなければならぬ」と云ふことを説いて居るね。
答 ちよつと、ミロク神政を成就する、と云ふのは、此の間言はれたやうに国体変更の意味ぢやないから、其処の所を能く書いて置いて欲しい。
問 だから、其処を専制と云ふことを訊いて居るのでせう。
 お前の言うて居る所は、「ミロク神政を成就する為には神聖会を強化しなければならぬ」と云ふ意味で、「大本の説いて居る所の道に依つて、多数の大本の賛同者、信者を獲得し、日本国民に相応せる大日本国、即ち私を統治者とする至仁至愛の国家を建設せむとする意味を暗示したのである。」
 是は違ふのだな。
答 それは、「暗示した」と云ふことは違ふのです。其の「暗示」と云ふことから、「即ち」から先が皆違ふのです。
問 それは判りますけれども、七は「一千万人の昭和神聖会の賛同者を獲得する迄は気を緩めちやならぬ」と云ふ意味であると、是も宜いね。
 それから、「統管随筆中には、『日本は皇室を戴く家族的制度の国なり、万世一系の御皇室の方々以外には、余は頭上に戴くべき何人もないのだ』と書き、其の他にも、『神聖会は我が日本帝国の国体に反することを目的とするのではない』やうに書いてあるが、それは神聖会は大本信者のみの会でなくして信者以外の会員も沢山居りますから、其の関係上表看板に書いたものであります。」
答 それは違ひます。
問 それは否認だね。
答 私はそんなことは言やしまへぬ。さう御書きになつたのです。