出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
大本史料集成 全3巻1982.06(第1巻)、1982.09(第2巻)、1985.08(第3巻争点 ミロク大祭の意義池田昭・編参照文献検索
キーワード: 二次事件裁判 みろく大祭 ミロク菩薩
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午後三時開廷
問 始めますがね、此のミロク大祭に於ては出口家以外の者を至聖殿に昇殿せしめた、と云ふのは、このミロク大祭に重大な意義があるのぢやないのですか。
答 別に重大な意味はありませぬです。見た通りです。
問 いや、今迄出口家の者以外には、祭主以外には……。
答 いや祭主は今迄皆上つて居ります。
問 祭主以外の者は至聖殿に昇殿したと云ふ者はないのでせう。
答 ないのですが、今度の十六人の者はいつも祭主になつて居つた者ですから、いつも上つて居つたのです。
 それは、一名も上らぬなんと云ふ者はちつともないのです。今迄上つて居つた者ばかりです。お祭に上つて居つた者ばかりです。
 高木であらうが井上であらうが、全部上つて居つた者です。今迄上つて居らぬ者を一人上げたら、又ごて/\、「わしを上げい/\」と言ひますから……。
問 この三十五回の三問答の三千五百十六頁に、「従来、至聖殿には出口家の者及び祭典係以外の者は昇殿を許さないことにして居りましたが、諸面諸菩薩に擬した十七名は大本の最高幹部として、同大祭を機として一致団結して大本の目的達成の為に本格的活動をなすこととなつたのでありますから、従来の例を破つて」、「破つて」と書いてあるが……。
答 それは、そう仰つしやつたから、しやうがないけれども、今の十六人と云ふ者は祭主以外の者でも主なる人ですからいつも上つて居つたのです。
 それで、外の人は、今迄上つて居らなんだ人は一人も上つてやしまへぬです。
 それは、けれども、「初めから特に昇殿さして、斯うやらう/\」と言やはつたから、もうしやうがないから、「そんなやうなことは向ふの云ふ通りでどうでも宜いわい。さうでなくても、外にもえらいことを言はれて、それだけでも罪になるのだから」。そんなことは無茶だけれども、向ふの仰つしやつた通りに言ふて居つたのですわ。
 もうこんなやうなことは、向ふ言やはつた通りに、「斯うやらう/\」と言やはつたから、「はい/\」と云ふて来たのです。
問 それから、被告人は右十七名の者に対して、「三月三日一日は右十七名の者及び大宣伝使等が役職を返上して無役となる」と云ふことを言ふて居りますが、全部が無役となると云ふ趣旨も含めて言ふたのですか。
答 あヽそうです、皆が一旦なると云ふのですけれども、皆では大変やから上の者だけが代表的にやつたのです。
問 あヽさうか。
答 詰りなんでも彼でも皆がもう一遍は無役となり、無信者にもなりしてしまうても宜い、と云ふやうな心持で居つたのです。
 けれども、矢張り信者は信者で居り、役員だけが謹慎を表する為です。信者は止めてやらせぬのです。役員を止めたのです。
問 この十七名の役員だけが無役になると云ふのではなくて、大本の役職員全部が無役になると云ふことなんだね、 之は、十六神将の人は判つて居りますか。
答 それは判つてやしまへぬ。
 誰も/\唯心の中で神様に何す為に、お詫びをする為に……私の心だけです、十六人の人にはそんなこと言ふてありやしまへぬもの。
 「お前も悪かつたから、お前も悪い一部分やから、お詫びする為にせい」と、そんなことは言ひやしまへぬ。
問 大本役員達が三月三日一日だけ無役になる、と云ふのはどう云ふ意味だ。
答 「お詫びをする」と云ふ意味です。
 唯責任を感じて、神様の御宮を潰されたりしたことは、我々が行届かぬからさう云ふことになつたのだから、お詫びをする為に、神様に謹慎の意を表する為に止めたのです。
 私も止め、役員も止めたのです。
 謹慎を表する為に止める、と云ふことは、それは役員も知つて居りますやろ。
問 なんで謹慎せにやならぬの……。
答 それはあヽ云ふ事件が起つて、御宮さんまて潰されてしまうた、それで我々は申訳がない、と云ふのです。
 それで、謹慎の為にしたのです。無役になつてしまうたのです。役だけを止めてしまう。信者は止めませぬけれども、役だけは止めてしまう。其の一日だけ遠慮したのです。
問 この点に付てね、準備手続に於ては、「ミロク大祭に依つて大本を立替立直をしやうと云ふのである。従来の大本ではいかぬから、改めて大本と云ふものを組織する意味だ」と云ふことを言ふて居りますね、それは大本を組織する……。
答 それは……。
問 ちよつと聴いて居なさい。
 弁護人からも釈明訊問に依つて、「之は大本の役員の解除」と云ふやうな見方をして居りましたがね。
 さう言ふて居つたのぢやないのか。
答 さうですとも。
 私の申上げるのは下手なことを申しますけれども、詰り、云ふたら、機構とか何とか云ふものを暫く変へただけです。
 一日休んで……それで依然として元からの大本なんです。
 其の時に、別に、ミロク教とも何教とも名を変へてやしまへぬ。前からの通りの名で行つて居るのです。
 それは、大本はちやんとやつて居る。唯其の責任上、役員だけが一日止めると云ふ意味だつたのです。
 止めると云ふよりも、遠慮すると云ふ意味です。一日だけ遠慮して辞職すると。元の何もなしの真裸にならうと……。
問 ……さう云ふ意味か。
答 又、翌る日から改めて役をさして貰ふ。
 私もそれ迄神さんの席に坐つて居つたのを止めて、私も役員になつたのです。
問 何もそんなことでは罪亡ぼしにもならぬぢやないか。
答 誠意を表するのです。
 詰り、之は心の問題です。誠意の問題です。
 それで以て、神様に許して貰ふと云ふ気なんです。縦令万分の一でも許して貰ふと云ふ意味です。
問 併し、先に認めて居つた、教主殿に於て十六神将に言ふた言葉の中には、「明日以後は立替立直をしたる大本に於て重大なる役職に」……。
答 そんなことは言ひまへぬわ。
 立替立直と云ふことは、心の中からの立替立直をすると云ふ意味です。
 今迄のやうな、ふわ/\した心持でなしに、と云ふ意味であります。今迄のやうな、ずんだらな意味でなしに、本当の精神を立替立直さう、と云ふ意味であります。
問 さうかね。
 この点に付て訊くのだが、三十五回の三問答の三千五百十五丁以下に斯う云ふことが書いてあるがね、「三月三日のみろく大祭を機として、従来の大本を立替立直して、同人等と共に、大本の真の根本目的達成の為本格的活動をなす所の団体を組織することを促しました所、之はニ日のことでせうな、集つた人等は私の意中を察して、私の言ふ所を全部承諾するに至つた。私及び幹部十七名、並に大宣伝使全部が無役となる、と云ふことは、それ以外の大本の役職員及び宣伝使等も全部無役となると云ふ趣旨のこと。之は、まあそれで、新に三月三日一日だけ、私、初め、大本の役職員及ひ宣伝使が従来の役職を辞すると云ふことは、従来の大本と云ふ団体を解散をして、新にみろく神政成就の為現界的活動をなす所の大本と称する団体を組織する訳であります。」
 斯う云ふことを書いてあるがな。
答 それは私が言ふたのぢやありまへぬ。「斯うぢやないか」と言ふて、ずつとお書きになつたのです。
 しやうがありまへぬもの。違ふと言つたつて、怒鳴られるのでしやうがありまへぬもの。
 そんな意味ぢやございまへぬ。最前申上げた通りであります。
問 王仁三郎、……このみろく大祭に依つて澄なり昇殿者十八名と共にみろく神政成就を目的とする団体を組織して本格的活動をすることになつたのぢやないのか。
答 さうぢやございまへぬ。唯お祭をしたのです。
 其のお祭、三月三日のお祭を期して、それを大本としてそれから皆心の立替をしやう、と云ふ意味になつたのです。信仰をもつと励んで活動しやう、と云ふ意味になつたのです。
 唯之は精神上の革新をやつたのです。
問 之は其の三十六回の三問答の三千五百二十六丁の所に、「之迄は大本の準備時代であつて、この時に一つ団体を組織して、之から本格的活動をすることになつたのだ」と云ふことを、詳細述べて居るがね。
答 それは、もう、さう言はれるから仕方がないのです。
 けれども、別にそれは、大本は今迄ごちやくして居つたが、之から大本がまだ/\拡大する、と云ふことを言ふたのです。
 それがさうなつたのですけれども、前からの大本ですもの。其の大本を廃して、又、大本を拵へたのぢやないのです。
 大本を之から益々拡張しやうと、それを一つの……一紀元としてやらうとしたのであります。この祭を紀元としてやらうと云ふ意味なのです。
問 併し、「大本は其の儘であつて、役職員を変へたのみで、別に新たな組織は出来て居らぬ」と云ふて居るが、瑞祥新聞の、証拠品の第百四十四号、昭和三年三月十一日発行の瑞祥新聞ですがね、此処に、「大本とは神意を実行する団体、真の力の神の顕現」と題して……。
答 それは誰の説ですか。