出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
大本史料集成 全3巻1982.06(第1巻)、1982.09(第2巻)、1985.08(第3巻争点 林檎、大根、芋池田昭・編参照文献検索
キーワード: 二次事件裁判 みろく大祭 大根と芋
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本文    文字数=6662

問 あヽさうか、それから此の神饌物の下渡しがありましたか。
答 ありました。
問 其の神饌物を矢張り十七名に分配したのですか。
答 それは其処に居つた者にやつたのですがね。
問 それは、分配する蓮根とか大根とか芋とか、さう云ふ物を与へた意味は……。
答 余り深い意味はありませぬが、何か因んで皆やつたのです。
 さうして、私が林檎三つ取つたと云ふのは、私の心得の為に、三輪を守る為に……。
 林檎と云ふのは、護は守護の護です。輪を守ると云ふことです。人倫の倫ぢやなくて車編のくじき破ると云ふ輪です。
 此の三輪と云ふのは、此の間申上げた身輪、意輪、口輪です。冒頭の身輪と云ふのは、身体の不殺生、不邪淫、不倫盗、盗をせぬこと、殺生をせぬこと、邪淫をやらぬこと、之が身輪です。
 口輪と云ふのは口の輪、不妄語、妄語せざること、濫りに言葉を言はぬ、詭弁を弄せざること、不詭語。それから、不両舌、二枚舌を使はない、不悪口、悪口せざること。
 私、此処でちよつと謝つて置きますが、昨日余り興奮しまして予審判事さんのことをちよつと何か言ひましたけれども、之は私は自ら顧みて不悪口の禁を破つたと思つて……。
 それから、直きに怒りますが、実は直き肚が立ちます。之は不瞋恚と言つて、之が又ちよつとむづかしいのです。之は不両舌、不悪口、不詭語、不妄語。
 それから、意輪と云ふのは、之は意識の意です。之は、貪、瞋、痴と云ふのです。貪慾、それから、瞋恚です。
 腹が立つて怒る。それから愚痴。之は邪見とも言ひます、心の之が無痴と云ふ、白痴も之は心の罪なんです。之も亦一方には邪見とも解してあります。
 之を、私が守らして貰ふ為に、私が林檎を戴いたのです。
問 それから澄には大根とか芋を……。
答 大根をやりました。
問 大根と芋か。
答 芋をやりましたかな。
 大根は覚えて居りますのや。詰り、大根と云ふことは、仏教に言ふ耳根、眼根、鼻根、舌根と云ふ皆総て根と云ひます。
 それで、此の大根と云ふ……家の家内は、ちよつと何ですわ、養子娘の故かなか/\気儘であつて直きに怒るのです。それで、私に、妙な顔をしてふくれることもありますから、大根と云ふのはなんぼ食つても当らぬのです、役者でも当らぬ役者は大根役者と言ふのです。
問 漫談見たいなことは止めて……。
答 漫談ぢやありませぬ。其の意味で、「お前も当つたり何かしないで、おとなしうしろ」と云ふ意味を含んで居るのであります。
 それで、「何ぞやて杓子に当る悪い嬶」と云ふやうな川柳がありますよ。何だと云ふと直きに杓子に当るから……
 私はそれの大根と、もう一つは仏教から出て居る大根、大機諸々の菩薩、利益と云ふことがあります。
 大根、大機と云ふのは、耳根とか此のことを言ふたのです。
 それから、六根清浄と云ふことを言ひますが、総ての六根を大根は云ふたのです。
 六つのことをひつつけると大の字になります、それで、思慮、温情等を与ふと云ふことが十善戒に書いて居るのです。其のことをふつと思ひ出したから、大根を与へたのです。
問 芋は。
答 芋は、唯もう、花も咲かず唯土の中で黙つて居つて居つて黙々として子を生むのです。
 丁度、之は、「ミロクさんは土の中に居つて、さうして土から今頭が出たんや」とかなんとか云ふやうな説があるのですが、昔からミロクさんの教をするのには、矢張り黙つて居つて偉さうにしなければ──花も咲かせにや、芋のやうに唯黙々として居なければいけない。
 教を開くと云ふことです、信者を拵へる……。
問 あ丶さうか。
 此の点に付て三十六回の一問答に言ふて居るがね。
 「林檎三つ取つたのは日、月、地の三輪に準らへて取つたもので、それで澄に大根と頭芋を渡したのは、澄は大本の教主だから、大本の根本、大本の頭と云ふ意味で大根と頭芋を出口が渡したので、それから、又、外の者にも渡したのは、之は大本の最高幹部で活動する人だから、詰り、各部門の頭であるから渡した」と言ふて居るね。
答 それは言ひました。
問 今日のは大分違ふぢやないか。
答 宗教のこと、神様のことを言ふてもちつとも判りまへぬ。あの人の耳に入る様な程度で言ふて置いた。私は、本当は、胡魔化して居つたのです。胡魔化すと云ふことは悪いかも知れまへぬが。
問 胡魔化すと云ふことは……。
答 悪うございました。今言ふた不詭語、不妄語……。
問 欺すとか云ふことは言ふてはいかぬ。胡魔化すなんと云ふことは気を付けにやいかぬ。
 それからね、この大祭が済んでから、参列の信者に対して挨拶なんかしましたか。
答 それはしたと思ひます。
問 どう云ふ具合にですか。
答 どう云ふ具合と云ふてもちよつと思ひ出せまへぬが、私が若し挨拶をしましたら、私の言ふことは一言一句大本の癖として筆記者が居つて書くのですから、それは大本の文献に書いてあるやらうし、書いてなかつたら私はしやべつて居りまへぬ。
 私は演説も何も……この前の神聖運動をする迄は恥かしがりで、人の前で演説したことはないのです。話したことは──。
問 さうですか。
答 はあ、若し私がしやべつて居りましたら、吃度、大本の文献に出て居ります。
footnote
大根 おほね 物事のおおもと。根本。
大機 だいき 大乗の教えをうけ、それを実践する能力・素質のある人。