出口王仁三郎 文献検索

リンク用URL http://uro.sblog.jp/kensaku/genshow.php?CD=12683&T1=&T2=&T3=&T4=&T5=&T6=&T7=&T8=

原著名出版年月表題作者その他
大本史料集成 全3巻1982.06(第1巻)、1982.09(第2巻)、1985.08(第3巻歴史 ミロク大祭池田昭・編参照文献検索
キーワード: 二次事件裁判 みろく大祭
ルビ付き本文:
ダウンロードページ
 
本文    文字数=7888

問 三年三月三日にはミロク大祭を執行しましたか。
答 しました。
問 ミロク大祭の状況に付て、一々時間が掛るから……
 こちらから訊ねますから、それに答をして貰ひたい。言ひたいことがあつたら……
 状況のことは先づ、この至聖殿には被告人及澄が先に述べた十七名の者を率ヰて昇殿をして、役員信者等はミロク殿の方に参列したのですか。
答 さうです。
問 何名位か、役員信者は。
答 千人居つたか、ニ千人居つたかはつきり覚えて居りまへぬ。
問 千人とニ千人は大分違ふな。
答 そんなことは勘定して居りまへぬ。二千人位居つたかも知れまへぬ。
問 出口家の家族の者も至聖殿に上つたのですか。
答 昇つた者も昇らぬ者もあります。浅野位でつしやらう。
 外の者は全く上つて居らぬと思ひます。それは十六七人が上つたら一杯になつて、神殿の中に誰も入ることが出来まへぬ。
 だから、誰も/\を許したら大変ですから、主なる人を選んだのです。皆の代表として入れたのです、十六人は総て信者の代表を昇殿さしたのです。
問 昇殿のことは後から訊きたいと思ひますがね。
 それから、被告人及び澄、それから出口家の者、十六神将に準らへ者などはどう云ふ風に着席して居つたのか。
答 兎に角、ずつと、斯う並んだのです。
 斯う云ふ具合に、(と手振りで説明しながら)、斯う並んだのです。
 此の時には、私が一番中心に行きました。真ん中の所へ、さうしてずつと、斯う並んだのです。
問 ずつと並んだと云ふのだが、被告人と澄は至聖殿の階段の上の方にか。
答 階段の上はちつとも上りませぬ。
問 階段の前。
答 階段の下です。
問 後の十六神将とか出口家の者は一段下の傍か。
──答一つしかありませぬ。階段があつて下は一つしかありませぬ。
 それで、ずつと一列に並びまして、又、足らぬ所には二列に……。
問 さうすると、二列に、斯うか。
答 詰り、斯うですね(と説明しながら)、私と家内と、或は日出麿と三代と云ふやうな具合にして、それから後には余つた宇智麿とか井上さんとか並びまして、斯うなるのです。
問 さうか。
答 八人づつ横縦陣を張つたのです。
問 至聖殿に向つて。
答 至聖殿に向つて、至聖殿の中の神殿に向つて……それより場所が取れませぬもの。
問 其の下のミロク殿の……。
答 其の下に、一寸境目がありまして、其の下にミロク殿が建ててありまして、其の下に……。
問 それで、王仁三郎が神政成就を祈願して居つたのか。
答 もう、そないに祈願して居る中に、許可が来るやらう来るやらう、と思つて居つたのです。
問 許可のことは又訊きますがね。
 王仁三郎が先立の下に、昇殿者である澄なり、或は、十七名の昇殿者がだね、一緒に神言を奏上して、ミロク神政成就を祈願したのか。
答 さうです。一緒に祝詞を上げたのです。同じ祝詞ですから……。
問 一緒に口で言ふて。
答 さうです。さうして、別に、神政成就の祝詞と云ふものは私は知りまへぬです。私は上げて居りまへぬ。
 「どうぞ早く世の中が良くなるやうに、神政成就するやうに」と、口で言ふて居りまして、願ふとりまして、殆ど黙祷見たいなことで、それから大本に毎日唱へて居る所の善言美詞を唱へたのです。
問 それは神言だね。
答 さうです。
問 神言を言ふてから祈願したのでせう。
答 さうです。私が真中になつて居ります。
 「高天原に神止まりまして」と云ふてから、皆の身体を浄めて、それから黙祷をして、兎に角、後で又、大きな声で祝詞をずつと上げるのです。
 それは、ミロク殿に居る信者も声を合せて、十六人ばかりぢやなく、信者も一緒こたです。
 それで、本当の祈願すると云ふのは、唯、「この世の中が一刻も早く良くなりますやうに」と云ふことだけで、それが祝詞と云ふやうな立派なものは別にないと思ひます。
問 けれどもミロク神政成就を祈願すると云ふのは口頭で言ふたのか。
答 さうです。
問 皆……。
答 それでも、それは御互に御願ひして居るから、一緒こたに言ふたら宜いのです。
 そんな面倒くさいことは……。
問 それでは、まあ、一緒に言ふたことになるのだな。
答 さうです。それは、又、其の中に勝手に一人でやつて居る人があつたかも知れまへぬ。
問 あつたかも知らぬが、其の時にはまあ一緒に祈願した訳でせう。
答 さうです。
問 そこでだね、此の昇殿をした被告人、澄外十七名はだね、一致団結をしてミロク神政の為に本格的の活動を為す、と云ふことを御互にだね、御互に心の中で誓ひ合つたやうな事実はなかつたか。
答 そんなことはありまへぬわ。
 そんなことを誓はぬで、前からの信者だから皆一生懸命で、そんなことを誓ひまへぬ。
 「どうしやうか、誓ひませうか」なんと云ふことは言ひまへぬわ。
問 「誓ひませうか」と云ふことは言はないが、「愈々本格的活動をしませう」と云ふやうなことを……。
答 それは、まあ、之からミロク祭が出来たのやから、我々もしつかりして、それから布教しやう、と云ふ観念はそれはあります。
 十六人以外の者も皆あります。
問 三十五回の三問答の三千五百十六丁に依ると、御互に心の中に誓ひ合つたと云ふ、一致団結して之から褌を締め直して本格的活動をすることを心の中で誓ひ合つたと云ふことを言ふて居るがね。
答 「それはさうぢやらう」と申されましたから、それは心で誓つたでせう、と言ふたのです。
問 さうでせう。
答 それは判りまへぬがな。銘々口から出しまへから──。
問 それで、むづかしいから、訊いて居るのぢやないか。
 それから、次で王仁三郎被告人は作歌を朗詠しましたか。
答 どう云ふ……。
問 「万代の常世の暗も明離れミロク三会の暁清し」と云ふ……。
答 三会ぢやなく三会です。
問 この歌の意味は。
答 之はですね、常世の暗、万世と云ふことは之は置言葉にしたのです。詰り、枕言葉です。
 総て神様は万の世を治め為さるから万世と。併し、之が常世の暗になつて居つたのです。
 詰り、言へば、大本で、常世の暗とは昼なしばかりになつて居つた。皆閉がれて居つたのです。
 それが明離れて来たのであるから、さうしてミロクの三会の今日は世の中になつたから、ミロク三会の暁になつて清き心になつたと云ふ祝の言葉です。