出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
大本史料集成 全3巻1982.06(第1巻)、1982.09(第2巻)、1985.08(第3巻思想 大本祝詞解釈池田昭・編参照文献検索
キーワード: 二次事件裁判 祝詞 善言美詞 皇室
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本文    文字数=5410

問 よしよし。それぢや、予審終結決定に書いてある教義は訊問を終つたが、お前さんの考へて居る大本教義と云ふものはどう云ふものか、概括して中心点と云ふものはどう云ふ点にあるかと云ふことを考へて置いて、昼から訊きます。
答 私は考へないでも、それは決り切つて居ります、善言美詞に全部書いてあります。
問 それは読んで居ります。
答 それに大本の善言美詞は……。
問 今簡単に申述べますか、余り長くなりますなら……。
答 余り長くなりませぬ。
 最前申しましたやうに、私は国常立尊を初めとして、祝詞には……。
問 大本の教義ですよ。
答 祝詞に書いてあります。
 此の「国之常立尊の堅磐に常磐に鎮り居坐して」御治めになつた国である。
 それだから、「皇御孫命の天の石位放ち、天の八重雲を伊都の千別に千別て、天降し給ひてより動くことなく変ることなく、人の心は直く正しく」なりますやうにと云ふことを、お祈りするのが本であつて、「天津日嗣の高御座は天地日月と共に動き傾く事無く、生坐す親王等諸王等は、朝日の豊栄登に……」
問 成るべくゆつくり──書いて居りますから……
 速記は商売ですが……。
答 私は今云ふたことを、もう一遍申します、「天津日嗣の高御座は天地日月と共に動き傾く事無く生坐す親王等諸王等は朝日の豊栄登に咲栄えませ」もう一つは、「邂逅に礼無く黒き心以て、射向奉る敵在る時は国民挙り、御祖神の伝へ賜へる敏心の倭心を振起し、劔の手頭取り締り、厳の雄健び踏健び厳の嘖譲を起して、海往かば水漬く屍山征かば草生屍大君の辺にこそ死なめ、閑には死なじ顧は為じ」とあるが、是は今日来らむとする世界の戦争やなんかの用意に神様に願つて、祝詞にちやんと日本の精神を決めるやう、又大本信者の精神も決めるやうに、之を祝詞として朝晩拝んで居る言葉であります。
問 それの意義を訊かなければならぬが。
答 是は日本の国に無礼を加へるものがあり、又或は、日本の国民に無礼をするものがあるならば、国民が承知をしない、それで国民挙りさうして倭心を以て至誠の誠の心を以て、それでさうして倭心を振起し、劔の手頭取り締り……刀の此処です(と手真似をしながら)刀を抜いて厳の雄健び踏健び──と云ふのは勇気を起すことであります。
 何処迄も悪に向つては平げて行くと云ふ意味です。
 厳の雄健び踏健び国賊を平げると云ふ意味です。
 「噴譲を起して海征かば水潰屍山征かば草生屍大君の辺にこそ死なめ顧はせじ、草の中で屍を曝すとも」、海で曝すとも、天皇の為にはと云ふ大君の、陛下の為なら死ぬ、それ以外には我々は、日本男子は死なないと云ふことを祈つて居ると云ふ意味です。
 それは大本の本当の精神です。
問 本当の教義なんだね。
答 さうです、朝晩是は六、七歳の子供にも暗誦さして、居ります。
 長い祝詞ですけれども、是が本当の大本の教義であります。
問 皇室中心か。
答 皇室中心主義ですとも。
 皇室中心であり、皇室があつて、世界がないと云ふ……。
問 それで尽きて居りますか。
答 尽きては居りませぬ。
 又何処にもありまつしやろ。
 道の為に働くものが病気になる時は助けて下さり、又五穀が豊穣するやうにとか、或は官々に仕へまつる人達は……。
問 官と云ふのは……。
答 譬へば申上げますと、裁判官なら裁判官、警、閏察官なら警察官、が官々に仕へ政を行ふことで「茂鉾の中執持ちて」と云ふことは中心、真ん中の所です。「茂鉾」と云ふことは中と云ふことの枕言葉です。
 「大御前の事白さしめ給ひ」と云ふことは天皇陛下の御前と云ふことです。
 それで、正しき政治が出来るよう、正しきお裁きが出来るようにと云ふことを「茂鉾の中執持ちて大御前のことを白さしめ給ひ」と云ふ、斯う云ふ意味です、斯う云ふこと迄も、ちやんと言つて居る。
問 大本の根本教義は、大掴みにすると、毎朝の祝詞にも書いてある、其の趣旨は、皇室中心主義と、今云うたやうなことだ、さう云ふことになる訳なのだね。
答 さうです、之を予審の時にも、此のことを言はうと思ひましたけれども、若し云うたら、私の利益なことやと思うたらそれを湮滅されたら困ると思つて、是は公判まで残して置いたのです。
 それはもう、今迄に言はむことを、公判で皆申すことが沢山あります、調書の中に沢山あります。