出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
大本史料集成 全3巻1982.06(第1巻)、1982.09(第2巻)、1985.08(第3巻争点 素盞嗚尊の神逐再現(続)池田昭・編参照文献検索
キーワード: 二次事件裁判 素盞嗚尊
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本文    文字数=5046

問 其の位にして置きませう。
 それで、此の神勅違反の点は珍らしいことを云うて居るやうだが、「至誠殿落成式所感」と云ふ曩に示したのに斯う云ふことが書いてあるのだ。
 「天孫が御降臨なさらないでも、此の国は伊邪那岐、伊邪那美の神様の御神勅が行はれて居つたならば、天孫の御降臨の必要はないのである」と云ふことを書いて居る。
答 其の通りです。
問 まあお聴き。
 之に、「神勅の通りならば、降臨がなくても宜いのだ」と云ふことを書いて、「是は伊邪那岐尊の神勅が行はれなかつたのであるから、天孫降臨は伊邪那岐尊の神勅に反する」と云ふことを蔭の方から言ふて居るのぢやないか。
答 それは違ひます。
 神勅が行はれなかつたと云ふことは、素盞嗚尊が弱かつた為めに、行はれなかつたので、それで、若し強かつたなら神勅の通り、お降りにならなくても宜かつた。弱かつたから御心配になつて神勅をお下しになつて、お降りになつたと云ふ意味です。
問 さう云ふ意味ぢやありませぬよ、二十二回の二問答に──違ひますな。
答 私が言ふたのぢやありまへぬ。
問 もう一つ斯んなことを言うて居る。
 王仁三郎の二十三回の一問答の所に、斯う云ふ事実があつたやうに書いてある。
 「昭和五、六年頃に、王仁三郎は谷村正友と云ふ人に対して、地の世界は伊邪那岐尊の神勅に依り、素盞嗚尊の統治することを定めて居りますから、同尊の霊統に依り統治すべきものである。天津神である天照大神が瓊々杵尊を主宰神と定めて降臨せしめられたのは、権限外のことをなされたのである」と云ふ趣旨のことを話して居ます。
答 それは言うて居りまへぬ。向ふが勝手に書いて行かれたのです。
問 お前が言うたと云ふやうに……。
答 片つ方の相手が死んでしまうて居るし、書いてあるのだと言やはるから仕方がない。証拠のないことだから認めて貰へまへぬ。全部違うて居りますわ。
問 権限がないと云ふことは、神勅違反と云ふことになる訳ですね。
答 権限も何も、そんな話をして居ない。
 古事記の講釈をしたことはあります。
問 東尾も七回にさう云ふことを云つて居りますね。
答 東尾が予審でも、さう云ふことを云つて居ると云ふことを聞きましたが、東尾が云つて居るならば……東尾が斯う云うて居ると云はれても、仕様がないもの──。
問 それから一番お終ひの点で、日本の皇統を否認して、日本の統治者になると云ふ点に於ては、二十六回で詳しく述べて居るやうだが、決定の通りのことを……読んで見ませうか。
答 読んで見ておくれやす。
問 「素盞嗚尊は曾つて八岐の大蛇を平らげ地上を浄め、天照大神にお目に掛けたと同様、今度再現した素盞嗚尊は悪神の霊統である現御皇室及び諸外国を倒して、日本国内及び世界全体を天下泰平に治め御三体の大神様にお目に掛け、先づ日本の統治者となり、次いで世界の統治者となるのである」と云ふ意味のことを暗示したものであります。
 是は曩に述べた如く、「素盞嗚尊の霊代と主張して居りましたから、私が素盞嗚尊の霊代として、現御皇室及び諸外国の統治者を倒して、日本の統治者となり、次いで世界を統一して世界の統治者となる」と云ふ趣旨のことを云つて、国祖御隠退の因縁の所で説明して居りますね。
答 それは申上げますが、全部嘘です。全部それは向ふがさう書かれたので、「宇智麿が斯う云うて居る、伊佐男が斯う云うて居る」と云ふので、私ももう仕方がないから……
 弁護士にも会ひまたしけれども、ちよつと面会に来た時に申しました、型に篏めました、私は一定の型が決つて居る、其処に篏めましたと申しました。
 私は昔、江木先生に聴いて居りますが、「予審では、無理が通らなかつたら云うて置け、予審の陳述と云ふものは、証拠の参考になるだけだから、予審が難しかつたら、向ふの云ふ通りにして置いても宜い」と云ふことを聞いて居りましたから、安心してさう云うて居りました、向ふは勝手に書かれた、私の陳述になつて居りますけれども、構やしまへぬと、其の積りで放つて置いたのです。