出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
大本史料集成 全3巻1982.06(第1巻)、1982.09(第2巻)、1985.08(第3巻争点 素盞嗚尊の神逐再現池田昭・編参照文献検索
キーワード: 二次事件裁判 素盞嗚尊
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本文    文字数=8077

問 第三の教義のことに入りますが、大本に於ては、大本教義の一つとして、素盞嗚尊の神逐再現のことを説いて居ますね。
答 説いて居ります。
問 それは此処に書いてあるが、こちらで読みませうか、
 「伊邪那岐尊の神勅により、天照大御神は高天原、即ち、太陽界の主宰神、素盞嗚尊は大海原、即ち、地球の主宰神と定まり、天津神と国津神との区別、歴然と神定まりたるを以て、日本は勿論、全地球は素盞嗚尊之を統治すべきものなること右神勅に依り明瞭なり。従つて、同尊及び其の御神系に於て日本を統治せられたらむには、天孫瓊々杵尊御降臨の必要なかりしものなり。然るに、素盞嗚尊は諸神の反抗を受け、神逐に逐はれ、次いて同尊の御子孫なる大国主命も、亦、天孫に帰順し、天津神なる瓊々杵尊降臨し給ひ、爾来同尊の御系統なる現御皇統に於て、日本を統治し来り給ひたるも、元来、国津神の御系統の統治すべき日本を、天津神の御系統に於て統治し給ふは、右伊邪那岐尊の神勅に背反するものにして、之が為め現代の如き優勝劣敗、弱肉強食の紛乱状態を呈するに至りたるものなり。因て、至仁至愛の神及び素盞嗚尊は、出口王仁三郎を機関として顕現し、現代の紛乱世界を立替立直して、至仁至愛の世と為すこととなりたるを以て、王仁三郎は、至仁至愛の神及び素盞嗚尊等の霊代として、現御皇統を廃止し、日本の統治者となるべきものなり」等とあるが、是は前ににも、準備の時にも訊いたが今読んだのは判つたでせう。
答 それは皆間違つて居りますわ。其の取り方が違ひます。
 御神勅の通り行はれて居つたならば、皇孫が御降りにならなくとも治つたのですけれども、治まらぬやうになつたのは素盞嗚尊が力がない為めに、八百万の神様が抗して居つた……
 併し、治めにやならぬ処の、国津神がさう云ふ具合だから、天子様が又御降臨にならなければ仕方がない。
問 要するに、今本職が読んだ要旨は、第一番目は伊邪那岐尊の神勅のことを申したので、天津神、国津神の歴然たる区別是は先に申した通り間違ひはないのだらう。
 第二番目に於ては、国津神たる素盞嗚尊並に其の御系統に於て、同じく此の地球を治めたならば、瓊々杵尊の御系統がもう御降りになる必要がなかつたのだと云ふのですが、処が降臨したから神勅に違反して居る。
 世の中は斯う云ふ様に紊れて来たのだ。
 それで、元に帰つて、素盞嗚尊の系統で治めなければならぬのだ。
 其の霊代とは王仁三郎だと云ふことに……。
答 はあ。
問 はあではない。
答 是は素盞嗚尊が治めにやならぬのに、斯う云ふことをしたから、今度は素盞嗚尊が再び霊となつて現はれて、霊代に……現はれて私の身体を霊代として、そして今度は世界の八岐の大蛇を退治して、天孫に忠誠の心を致すと云ふ意味が書いてあるのであります。
問 書いてあるぢやないか……。
答 ……が、其の意味なんです。
 素盞嗚尊が今度現れると云ふことは、八岐の大蛇を退治する御用に出ると云ふことです。
問 世界革正の為めにか。
答 素盞嗚尊と云ふ言葉は、神道の講義に依りますと、素盞嗚尊は推進力、正義の推進力と云ふのを素盞嗚尊と申上げるのだ。
 今日の日本は神須佐之男命は……建速須佐之男命は武器を持つて戦を進めて行くのだ、今日の支那に対するのは、それは素盞嗚尊であつて、今度は、建速須佐之男命で、終ひには日支親善、東洋平和の為に神須佐之男命になる。
 今度、愈々、素盞嗚尊が働いて居ると云ふことになる。
 今の日本の皇軍は素盞嗚尊の……神須佐之男命やと云ふことになるのです。
問 さうか、「天津神、国津神は神勅に依つて、歴然たる区別があること、瓊々杵尊様の統治なされて居る現世が紊れて居る」と云ふことも認める訳だな。
答 さうです。
問 神勅に違反して居ると云ふことはどうなるのだ。
答 其の時に素盞嗚尊は違反したのだ。
問 神勅に違反して居るから、紊れたと云ふことは、どうなるのです。
答 神勅に違反したと云ふことは……素盞嗚尊は神勅に違反した基です。
 それやから、天孫が御降臨になつたのです、それで紊れて来てしまうたのです。
問 神勅に違反すると云ふことを誤解していけませぬよ、「国津神で治めるべき所を天津神で治めたから紊れた」と云ふことが書いてあるが……。
答 書いてあるのが間違つて居ります。
問 予審の調書で決定の通りのことを言うて居るがね。
答 私はそんなことは知りまへぬ。そんな意味ぢやないのです。
問 神勅に違反の点は認めない訳だね。
答 神勅の違反は素盞嗚尊が違反したのです。
問 「現世が紊れて居る」と云ふのは、どう云ふ理由だと云ふのだ。
答 其の理由は神様の為の理由ぢやない。
 唯、国常立尊があれして、蔭から護る神がなくなつたから、すつかり優勝劣敗になつたと云ふのです。
問 それは体主霊従ですか。
 裏から云へば、国常立尊の──体主霊従……。
答 さうです。
 此の世の中が、全部、体主霊従になつてしまつたから紊れたのです。
問 それで其処迄判りました。
 今度はどうすると云ふのだ。
 其の決定に書いてある処を見ると、「素盞嗚尊が現れて立替立直をする」と、斯う云ふのだが。
答 そんな、素盞嗚尊の形のない霊界のものが、実際現れて、現界の政治をすると云ふやうなことに解釈するのが、間違うて居るぢやありませぬか。
問 ありませぬかぢやない。お前に訊かなければならぬのだが。
答 私は違うて居ると思ひます。
 最前申したやうに、素盞嗚尊は霊界……。
問 それを云ふのだつたら素盞嗚尊は霊界……現界だから、瓊々杵尊と素盞嗚尊は現界の……生きた人。
答 けれども今は神界である。
問 それは判つて居る。
 素盞嗚尊はどうすると云ふのだ。
答 移つて来て総ての教をして、蔭から皇軍を守り、日本を護ると云ふのです。
 どうして守るかと云はれても、それは判りまへぬのであります。
問 現在の世の中を、どうする斯うすると云ふのぢやないのか。
答 守つて良い方に進めて行くと云ふのです。
 日本が世界の宗主国になるやうにするのが、素盞嗚尊の仕事なんです。
 今度は改心して、素盞嗚尊が忠義を尽すと云ふことになつて居る。
問 それが王仁三郎に顕現してやるのか。
答 私に直接移つて知らすと云ふのです。
 移つて来た間だけが素盞嗚尊の霊代です。其の他の時は何でもありませぬ。
 素盞嗚尊にばかり体を藉して居るのぢやありませぬ、他の神様にも体を藉して居るのであります。