出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
大本史料集成 全3巻1982.06(第1巻)、1982.09(第2巻)、1985.08(第3巻国常立尊退隠及再現、豊雲野尊の退隠及再現池田昭・編参照文献検索
キーワード: 二次事件裁判 国常立尊 国祖退隠神話 豊雲野尊 盤古大神
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問 其の次は大本に於ては立替立直、ミロク神政成就を必要とする理由。即ち、大本の根本理論として国常立尊の退隠、及び再現、並に、豊雲野尊の退隠再現のことを説いて居るのではありませぬか。
答 それも説いて居りませう。説いて居りましやろ。
問 まつしやろぢや困る。
答 どこにあると訊いて貰ふても判らぬのです。どこの方にあると云ふことを訊かれても、私は覚えて居りまへぬ。
 今日は国常立尊は霊界ですつかり現はれて活動をやつて居るのです。
問 其の次、此の国常立尊の退隠及び再現の理論はだね。
答 はあ。
問 天之巻、火之巻の各所にも断片的に記載してあるが、教祖の筆先と云ふものは……教祖の筆先以外のものであつて纏つて掲載してある所の大正七年の二月神霊界、「太古の神の因縁」霊界物語の……判るでせう、霊界物語の一篇の「国祖御隠退の御因縁」霊界物語四十七篇総則。是等の、今言うたやうなものに、此の国常立尊の退隠再現のことが説かれて居るのですか。
答 それは言つてあると思ひます。
問 こつちの言ふたことが判つたかね。
答 ちよつと頭がぐら/\して判らぬ。
問 国常立尊の退隠再現の理論です。
答 それは判りました。
問 段々訊きますが、天之巻にも火之巻にも断片的には書いて居りますがね。纏つて書いたものとしては、「霊界の情勢」、それから「国祖御隠退の御因縁」、「盤古大神塩長彦命」、霊界物語の総説、此処の中に書いてあるのですね。
 さうですか。
答 さうと思ひます。
 教祖が書いたのはちよこ/\断片的に書いてあります。
 私は、此の間申したやうに、どんな文献を見ても判りまへぬ。
 艮の金神、坤の金神、さうして、是は神様のことで……私が修養の結果神様に書して貰うて、此の「太古の神の因縁」とか云ふことを、神様に知らして貰うて書いた。
 是は、直の書いた断片的のことは、私の頭にヒントを得て居つたかも知れぬが、併しあれでも判りまへぬから、神様に御願をして、さうして神様に之を知らして貰ふことになつた。
問 「太古の神の因縁」とか霊界物語……。
答 書物にないのです。外に書物の参考にすべきものがないのです。
問 此の天之巻、火之巻に書いてあるがね。
答 いや太古の因縁とか云ふことが外の文献にはないのです。それでさう云ふことを……。
問 それぢや書いてあることは読まぬでも宜しいか。
答 なんですか今の所は。
問 霊界の情勢とかそんなことは読まぬでも判つて居ると思ひますがね。
答 此の間予審で厭程読んで聴かされましたわ。
問 是は四十七篇の総則、判るだらう。
(書類を示す)
答 はあ。
問 盤古大神。
答 予審ですつかり読んで目の中に入つて居る。
問 自分で書いたものだからか。
答 自分はしやべつただけで読んだことはありませぬ。
 印刷は予審で初めて見た位です。割とは上手に書いてあるな。わしが書いて居るのぢやないから。
 神様の御力で書かれて居るものと思ひましたけれども、割とは細かいことが書いてあると云ふことが判りました。
問 見せて貰はぬでも宜いか。
答 判つて居りますから。暇が要つて敵ひまへぬ。
問 是は私も読んで見たのだが、其の大本の国常立尊の退隠再現の根本理論として説く所の要旨と云ふものは、此の予審終結決定の大本教義(1)と書いてある所になりやせぬかね。
答 大本教義の要旨と云ふのはどう云ふ訳ですか。
問 要旨と云ふのは、書いてある趣旨は之を能く読んで見ると国常立尊の隠退再現の理論と云ふものが此処に書いてあるね。決定の(1)として書いてあることになりはせぬかと云ふのだね。
答 決定の(1)にどう云ふことが書いてあるのですか。どんなことが書いてあるのですか。予審決定は読んで居りませぬ。
問 大分国常立尊の隠退再現のことが書いてあるのです、斯くなりはせぬかと云ふのです。
答 其がどうと仰しやるのですか。
問 (1)と書いてあるでせう、三枚目の中頃──此処に色々なことが書いてありませう。
 同じやうに、之に書いてある所を能く読んで見るとぢやね、此の教義として説いて居る所は、決定(1)のやうなことになりはせぬかと云ふのです。
 まあ、是は準備手続の時に、「霊界のことである、盤古大神即ち瓊々杵尊は否認する。即ち、或は、王仁三郎が日本の統治者になることは否認する。それ以外のことは其の通り」だと……。
答 違ひを言へと仰しやるのですか。
問 違ふことは違ふと言つて貰ひたい。
答 是は神様が言はれたのです。是は善いとか悪いとか言ふ権利はありませぬ。是は神様が書いた説ですから私は是は違ふとか違はぬとか云ふやうなことはないと思ひます。
清瀬弁護人 被告に注意したいのですが、ちよつと出口さん、此の先刻来聴いて居りますとですね、あなたが興奮せられて御答を御急ぎになる結果、裁判長の話が、又余程、それでですな、同じことを繰返すことになるから、能く落着いて、明日もあることですから、裁判長の問のすつかり済んでから御答へ願ひたい。
 それからして、今、あなたが御覧になつたものは神様が書いたことぢやない、予審判事が書いたものですから……。
答 さうですか。
清瀬弁護人 非常に大切なことだから、ちよつと時間を拝借してゆつくり目を通して御答へなさい。
答 さうすると是はなんですか……。
清瀬弁護人 それから「天之御中主命……」より其の次の「伊邪那岐尊の神勅に依り」迄ですね、其処迄ちよつと二枚ばかりありますから……それをあなた一遍も読まぬと仰しやるから、読んですつかり眼を通して……私はあなたの仰しやる所はピントが合はぬやうに思ひますから──それは神様が仰つしやつたことではないのですよ。
高山弁護人 時間がなんですから、此の次にしたら如何ですか。
答 一つ/\言ふてもなんですから、ミロク菩薩と云ふのは、ミロク菩薩は是は違ひますわ。
 是は宣伝使と云ふやうなもので、ミロクの神様は是は天之御中主命ですけれども……。
問 大分疲れたでせう。今日は是だけにしませうか。
答 どうも頭がくしや/\として居る。
問 今日は是だけにしませう。
 宜いか、其の決定は準備手続で一時間も……。
答 さうですか、こんな無茶なことを……私是は初めてだと思ひます。
 大分今朝から喋つて居りましたから、頭が悪うなつて……。
問 では、今日は是だけにしませう。
清瀬弁護人 ちよつと御待ち下さい。
 明日はそれを読んで来てゆつくり御答へ願ひたい。
問 此の前の準備の時は……。
答 読むとムツとして来るので、堪らぬので読まなんだ。
清瀬弁護人 腹が立つた位は抑へてしつかりやらぬといけませぬよ。
問 まあ、今日は是だけにして置きます。
 それから、ちよつと御相談ですが、明日はですね、八時半頃から開きたいと思ひますが如何ですか。
前田弁護人 暑い折柄ですから、午後になつて来ると相当に草臥れるのですな。
 それで、朝八時半頃から開いて戴きたいのです。
裁判長 さうすれば、正八時半とします。駈引はありませぬよ。では、八時半から──今日は是だけにして置きます。
 今の点は能く考へて置いて下さい。
午後四時七分閉廷