出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
大本史料集成 全3巻1982.06(第1巻)、1982.09(第2巻)、1985.08(第3巻歴史 霊界物語の発行池田昭・編参照文献検索
キーワード: 二次事件裁判 物語口述
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問 ちよつと聴いて居なさい。
 大正十年の十月三十日から昭和九年の十二月三十日迄の間に、霊界物語八十一巻を発行しましたね。
答 はい。
問 是等の物は、皆御前に見せたことにして宜いでせうね。
答 そんなものは見ぬでも宜い。判つて居りますから──予審でなそぼでも見せて貰ひました。
問 霊界物語と云ふのは、被告人が口述をして、口で述べて、外山豊二、加藤新子、桜井重雄、谷口清治、高木鉄雄等に筆記せしめたものを原稿として編纂したものですか。
答 はい。
問 それから霊界物語発行の目的は、どう云ふ目的であつたのか。
答 それは大本の精神を世界に知らす為に、又一方では、小説的に娯楽の為にもやつたのです。
 私は体が悪くてえらいものだから、神様に楽しみの為に作つて貰つたりしたものだ。だから、霊界物語は、病人の──うん/\と言つてる人の前で読むと病気が癒ると云ふ。さう云ふことも書いてあります。夢の所も書いてあります。
 私が小説的の物を作つたのは其の時が初めてです。私は文章は余り好う作らぬ方です。
 皆霊が懸らなかつたら作れない。
問 是はね、教祖ナカの書いた筆先の補充説明の趣旨のやうなものぢやないのですか。
答 それもあります、其の所もあります、それから今迄私の書いて来た裏の筆先……神諭の意味の所もあります。
問 補充の意味か。
答 さう云ふ所もあります。
問 さうか。
答 高橋はこないに言ひました。「そこらの本を剽窃して書いて居る」のだと──私は「はい/\」と言つて居りました。
 講談倶楽部式の所もありますと言うて置いたけれども、私は講談倶楽部からも採つて居やしまへぬ。
 唯二頁か、三頁、四頁位は是は参考としてセーデンボルグのそれを少し出した所があります。神様の意思に合うて居る所だから出したけれども、それより外にちよつともそんな剽窃したりした所はありませぬ。
問 それだけは採つた。さう云ふ種本を採つた所もあると言ふのだね。
答 種本はない、それだけですわ。セーデンボルグだけですわ、「天国と地獄」の天国の所をちよつと……。
問 後はお前さんの思ひ付き、感想か。
答 口から出て来るのです。
問 王仁三郎の知つて居る所、感想、其の時の思ひ付を書いたのか。
答 感想ばかりぢやありまへぬ。其の時にちよつと感想と云ふか何か知りまへぬが……。
問 ……知つてること。
答 何時も仰向けに寝て居ると次から次へ出て来るのですわ、糸を繰るやうに駸々として纏つて出て来る。それを喋るだけです。
 それからね、六十五巻迄はさうして喋つた。
 それから、六十六巻から七十二巻迄は、是は蒙古へ行きまして、蒙古のあたりのことを見て松村や何かと……松村が聴きまして私に話をして呉れて、それ等をあつちやこつちやを何しまして拵へたので、是は本当は六十六巻から七十二巻迄は現代の小説見たいな所がある。
問 ……松村が向ふへ行つて書いたのか。
答 私と二人で拵へた。向ふで拵へた。それをこちらに来て書直した。
 何故かと云ふと向ふで書いたのは取られてしまひましたから、パインタラで取られてしまうた。
問 書いてあることは、現界のことも書いてあるのだな。
答 それは蒙古あたりの神界のことや、現界のことやら色々のことが書いてあります。
 印度のことや、或は満洲のこと、シベリヤのことあたりが書いてあります。シベリヤとは書いてありませぬが……。
問 霊界のことも書いてあるのだな。
答 さうです、それは皆支那人のワンゲンキと云ふ者が通訳で随いて居りまして、支那の小説、蒙古の小説を訳して聴かして呉れた。それが本になつて出来て居る。
 其の通りぢやありませぬ。其の通り写したら剽窃になりますから──。
答 霊界のことに託けて、現界のことを書いたのぢやあるまいな。
問 それはありませぬとも。
 殊更判りにくい霊界のことを現界に託けることはあつても、現界のことを霊界に託けたら、尚判らないやうになつてしまふ。
問 宜し/\。
答 それで高橋さんが言ふのも、予審判事さんの仰しやるのもさう仰しやるけれども、それは私は逆様やと思ひます。
 それは何か故意に、私を悪い者にしようと云ふ考がなかつたら、さう云ふことは言やはりまへぬ。
問 さうなつて居るからさうだと言やせぬのだぞ。さうなつて居るから訊くのだ。
答 さう御訊き下さるのが当り前で、私は之を言はむと……之を公判で言ひたうて、言はないで、居ると腹が立つて敵はぬのです。
 私はもう罪になつても言ふだけ言はして貰うたら、ほんまのことだけ言はして貰うたらそれで宜いのです。
 年寄りだから何時死んでも構はぬ。