出口王仁三郎 文献検索

リンク用URL http://uro.sblog.jp/kensaku/genshow.php?CD=12424&T1=&T2=&T3=&T4=&T5=&T6=&T7=&T8=

原著名出版年月表題作者その他
東北日記 全8巻1928.08~1929.02徒然のままに月の家参照文献検索
キーワード: 愛について
備考: 全集(5) P.614 徒然のままに 「現代の世相は人情美なぞということは薬にしたく
ルビ付き本文:
ダウンロード
 
本文    文字数=1596

 生まれたばかりの、世間といっさい没交渉な愛児のためにつくすということは、相手はなにも知らず平気の平三でも、つくすほうは心もちがよい。
 人の知らぬ間に人のためにしたこと、世間一般の人類がなにも知らぬ間に、世間人類のためにつくしたことはとても気持ちがよい。心中するところまで惚れたなら、さだめてこころよいことであろう。親を無上と思い、恩師を最上と考え、恋女を至上と想い、女は恋男を無上と考えて、それに終始することのできるものは、よかれあしかれ議論はぬきとして、人間としての幸福である。一歩すすんで、神を至上無二の本体として信仰しうるなれば、天下にこれくらい至上至高の幸福はないのである。世間から見て馬鹿で、愚純で、しかも大々々馬鹿者で、信ずるだけしか能のない人間くらい幸福なものはない。
 わずかの差異をさぐりだして、いかにも天下の真理でも発見したごとく、理性に勝つ人ほど天下に不幸なものはない。そういう人の心の底には、かならず淋しい淋しいあるものが潜んでいる。愚者がこの世に幸福なのか、賢者が幸福か、賢愚の別はなににあるのか。自分の心にたずねてみて、それに満足のできるものが世界第一の幸福者であると思う。 
(徒然のままに、『東北日記』 二の巻 昭和3年8月5日)