出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
大阪朝日新聞 吉岡発言 参照文献検索
キーワード: 吉岡発言
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昭和二十年十二月王仁三郎聖師は鳥取県吉岡温泉に療養中、朝日新聞・織田記者のインタビューを受けた。聖師は日本の過去を批判し、更に未来について語った。12月30日の朝日新聞に掲載された、その言葉は大聖者が日本国民に遺した遺言となった。
 
本文    文字数=2350

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新しい世をひらく
 自分は支那事変前から第二次世界大戦の終わるまで、囚われの身となり、綾部の本部をはじめ全国四千にのぼった教会を、全部叩き壊されてしまった。しかし信徒は教義を信じつづけて来たので、すでに大本教は、再建せずして再建されている。ただこれまでのような大きな教会は、どこにもたてない考えだ。
 治安維持法違反は無罪となったが、執行猶予となった不敬罪は実につまらぬことで、「御光は昔も今も変わらぬが、大内山にかかる黒雲」という、浜口内閣時代の暴政をうたったものを持ち出し、「これはお前が天皇になるつもりで、信者を煽動した不敬の歌だ」といい出し、「黒雲とは浜口内閣のことだ」といったが、どうしても通らなかった。
 自分はただ全宇宙の統一和平を願うばかりだ。日本の今日あることはすでに幾回も予言したが、その、ため弾圧をうけた。「火の雨が降るぞよ、火の雨が降るぞよ」のお告げも、実際となって日本は敗けた。
 これからは神道の考え方が変わってくるだろう。国教としての神道がやかましくいわれているが、これは今までの解釈が間違っていたもので、民主主義でも神に変わりがあるわけはない。ただほんとうの存在を忘れ、自分の都合《つごう》のよい神社を偶像化して、これを国民に無理に崇拝させたことが、日本を誤らせた。殊に日本の官・国幣社の祭神が神様でなく、唯の人間を祀っていることが間違いの根本だった。
 しかし大和民族は、絶対に亡びるものではない。日本敗戦の苦しみはこれからで、年毎に因難が加わり、寅《とら》年の昭和二十五年までは駄目だ。
 いま日本は軍備はすっかりなくなったが、これは世界平和の先駆者として、尊い使命が含まれている、本当の世界平和は、全世界の軍備が撤廃したときにはじめて実現され、いまその時代が近づきつつある。
(談話、「大阪朝日新聞」昭和二十年十二月三十日)