出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
神の国 | | 理智と感情 | | 参照文献検索 |
キーワード: その他 |
備考: 玉鏡 八幡-P.222 天声-P.62 昭06-11 |
ルビ付き本文: 王仁三郎資料センター |
本文 文字数=1485
「感情は盲目である。冷静な理智がそれを監督するのでなかつたら、どんな所まで走つてゆくか分からぬ。感情にのみよつて事をする人は必ず家をやぶり身を滅ぼす」かういふ意味の論文を王仁は十四五歳の頃朝日新聞で読んだ事がある。筆者は宇都宮筑波野と名告つて居た。王仁は此の論文がひどく気に入つて、そして又いたく動かされたものである。人は決して感情によつて事をしてはならない。必ず冷静な理智と相談してやらねばならないといふ事は真理である。王仁は事業の為に初恋を捨てた。それは実に堪へ難いものであつた。五十幾歳の最近まで思ひ出すと骨がうづいて来る。併しながら王仁には重大なる使命があることを其頃からおぼろげにも知つてゐたので、事業と恋との岐路に立つて王仁は冷静なる理智の命ずるままに恋を捨てて、ひたすら仕事に猛進したのである。今の王仁は大神業と云ふものがある。この大神業遂行の為めには、妻子を捨てる事もさらさら厭はぬのである。何物を捨てるのも厭はぬのである。誰でも神業の前には総てを犠牲にする覚悟がなくてはならない。情に於て忍びない事は幾らもあるが、それを押し切る強い意志と聡明なる理智とがなくてはならぬ。