出口王仁三郎 文献検索
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備考: 月鏡 八幡-P.287 天声-P.123 昭05-04 |
ルビ付き本文: 王仁三郎資料センター |
本文 文字数=1348
前代未聞の水墨大達磨を描きたる体験
一、調子の外れる事は意外の意外甚だし。
二、肉細なれば貧弱に見ゆ。
三、肉太にても矢張り貧弱を感ず。
四、一筆描きの本意として一線一点にも、有つてもよし、無くても好しと見るべき無用の筆は、一筆描きとして働きの真価なし。茲に於て、一筆描無二の大作品としては実に体験家以外に到底判るものにあらざるを断言して憚らず。又仮に試みたる画師のあるべきも、容易に成功し得ざりしなるべし。
之を貧弱に流れず、権威ある剛健作に近づかさんには、
第一全身の気合を固め、線を引くに一分刻み毎に腕の力を押込むること。
急転直下脱兎の気合なるべき事。
腕で描くといふよりも体力にて描き、殊に開眼の一点はカハセミの魚をねらつて飛び込む時の気分を要す。一投墨の真諦この辺に存するなり。
如何に肉太の筆を用ゆるも只の勇気は紙上に上走り、決して剛健の力と権威は紙上に躍如たらず。要は一刀艮めを刺す場合の意気と気合を必要とす。
快心の作に近づきて苦心体得上茲に告白するものなり。