出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
神の国 | | 奇魂の足らなかった南洲翁 | | 参照文献検索 |
キーワード: その他 |
備考: 水鏡 八幡-P.337 天声-P.139 昭03-03 |
ルビ付き本文: 王仁三郎資料センター |
本文 文字数=1308
大島から鹿児嶋へと、今度の旅行で西郷南洲翁の跡をたづねてみたが、翁には惜しい哉奇魂が足らなかつた、と云ふ事を痛感せずには居れなかつた。天下に号令せうとするものが、陸路兵を起して道々熊本を通過して東上せんとするなどは策の最も拙なるものである。彼の時急遽兵を神戸大阪に送つて、名古屋以西を扼して仕舞はねばならぬのであつた。当時物情騒然として居て、そんな事は何でもなく出来た事なのである。かくて京都、大阪などの大都市を早く手に収めねば志を伸ぶる事が出来ない事は火を観るよりも明かな事であつた。然るに事茲に出でずして、熊本あたりに引つかかつて、愚図愚図して居たものであるから、事志と違ひ、思ひもよらぬ朝敵の汚名を一時と雖も着ねばならぬやうになつて仕舞つたのである。【奇魂が足らなかつた】。桐野桐野、篠原篠原皆然りである。大嶋に滞在中、三回ばかり西郷翁の霊にあつたが、いろいろ私に話をして居つた。「智慧が足らなかつたなあ」と云ふてやつたら、「全くやり方が悪かつた」と云ふて居つた。