出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
神の国 | | 虫の触角と鳴き声 | | 参照文献検索 |
キーワード: 自然 |
備考: 水鏡 八幡-P.432 天声-P.232 昭02-07 |
ルビ付き本文: 王仁三郎資料センター |
本文 文字数=1440
鈴虫や松虫には長い触角があるが、あれは面白い働きをするものである。即ちあの長い触角は、ラヂオのアンテナと、拡声器とを兼ね備へたやうな働きをするのである。今一匹の松虫の雄虫が鳴いたとすると、其声は触角に伝はつて強められ、高められて数丁乃至数里先の雌虫に達する。幾何松虫の声が高いからと云ふて、マサカ数里先の雌虫にまで達すると云ふのは信ぜられない話であるが、そこは神様の深い思召があつて、雌虫の頭には、ちやんと触角のアンテナが用意してあるのであつて、この触角のアンテナに感応して、数里先の雄虫の鳴き声が【ハツキリ】と聞き取れるので、呼び出しをかけられた雌虫は大喜びで声を便りに飛んで行く。勿論恋しい自分の雄虫の鳴声を、外の雄虫の鳴き声と混同するやうな事は決してない、【ちやん】と各自の雄虫の所へ飛んで行つて、甘い恋を囁きつづけるのである。彼等の鳴き声は決して人間を慰むる為めではなく、種属繁栄の為の本能の叫びである事は、人皆がよく知つて居る通りである。鶏の【トサカ】の如きも同じ働きをするもので、鳥や虫が一足お先にラヂオを実際に使用して居るのは面白い現象である。