出口王仁三郎 文献検索
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原著名 | 出版年月 | 表題 | 作者 | その他 |
神の国 | | 賭場の番人 | | 参照文献検索 |
キーワード: その他 |
備考: 水鏡 八幡-P.299 天声-P.64 大15-12 |
ルビ付き本文: 王仁三郎資料センター |
本文 文字数=1056
私は若い時、種粉を車に積んでそれを京都伏見あたり迄毎日売りに行つた。幾何朝早く起きて出ても帰りは夜になる、七本杉(大枝山老の坂を越す京都街道にあり)の辺まで帰つて来ると、恐ろしい顔をした屈強な男達が、車座になつて焚火をしながらわいわい云うて居る。気味が悪いので、財布を懐中から出し蓆にくるくると巻いて無雑作に車の上に縛りつけ、鼻歌を唄ひ懐手して其前を通りながら、「ヤ、一寸煙草の火を貸して下さい」と傍によつて行くと、探るやうな目つきで皆がキヨロキヨロ見廻して居るが、どうせ金なんか無いと見て取つてか「まあ、あたつて行きな」と云ふて賭博を始める、おしまひには「些しの間其所で張番をして居つてくんな」と云ふて見張をさせられた事も度々ある。今自動車で其あたりを往復して見ると、しかすがに昔の事が思ひ出される。