出口王仁三郎 文献検索

リンク用URL http://uro.sblog.jp/kensaku/genshow.php?CD=10152&T1=&T2=&T3=&T4=&T5=&T6=&T7=&T8=

原著名出版年月表題作者その他
昭和 春の備へ 参照文献検索
キーワード: 和歌実作
備考: 集Ⅱ P.604 「名位寿福心にかけず
 
本文    文字数=3740

出口瑞月
名位寿福心にかけず吾は只世のため人の為に動かむ
動くべき時まだ早し惟神道の備へも人足らずして
神定の神軍全く整はば吾れ雷神となりて立つべし
昭青は神の任さしの神兵ぞ小さき事に動くべきかは
国教を堅磐常磐に樹立して御国を永久に守らむと思ふ
社会主義多く加味せる宗教は我皇国に具はぬ曲道
国家意識夢にも説かぬ宗教の末路近みて木枯寒し
細し矛千足の国の日の本は神の大道と武道に治まる
外来の思想は悉く神国の道に反きし邪道なりけり
我国は徳治国なり法律の力のみにて治まらぬ御国
徳あれば規則なくとも完全に治まる世なり大本を見よ
箇条無く戒律も無き大本は只徳一つに上下和合せり
我国は今や世界の聯盟に裁かれ誠の光を照らさむ
日の本の誠の光世に照らし外国人の眼を覚ます時
リツトンが支那に買収されたるか日本の不利を公表して居り
吾れ曾て戈を交へし満洲国の張海鵬氏と握手なしたり
蒙古野に戈を交へし敵将の吾を訪ひくる御代とは成れり
大蒙古元帥陸軍大将とわれ任ぜられ容易に立たずも
満洲国目鼻は就けど大蒙古に心ゆるせぬ時なりにけり
国教を四方に伝ふる大本を宗教と見る愚なる識者よ
老らくの身にしあれども青年の意気撥溂と道にいそしむ
旅終へて家に帰りし瞬間の時めく心いつも持ち度き
村肝の心時めく秋は来ぬ吾が宣言のあらはれにつつ
人生を安く楽しく美はしく渡るも誠の力なりけり
人の世の花と謳はれ塩となり清水となりて万象照らさむ
人生の務は種々ありながら世を生かす道を第一と思ふ
生き/\て生きの果てなき人生を酔生夢死に過ぐるは惜しき
朝夕に生きの生命を楽しみて栄えの道に進む神国
吾が立たむ時待つ子等の雄心を思ひはかりつもどかしみけり
吾が立たむ要の春の魁と備へ足らはす青年訓練
来るべき御代につくすと鵬翼を収めて時待つ身こそもどかし
かりごもの乱れ果てにし地の上の民を救はん畢生の悲願
内に外に醜の曲霊の蔓れる世を天国に生かさんとおもふ
神国は万世不動の備へありやがて来らむ吉き日待たるる
支那蒙古西伯利亜の野に働けるわが神兵の労苦をおもふ
時到らば吾は神軍引き具して御国のために雄飛せんとす
智者学者政治家数多在り乍ら平和の鍵持つ真人世になし
来るべき御代の備へを整へて神命待ちつつ潜む人あり
釈迦の法末後となりて弥勒未だ天晴れ世に出ぬ世こそさびしき
キリストの再臨を待つ人人の驚かむ日は近みたるかも
数千年欺かれたる仏と耶の信徒の臍かむ時は近めり
仏も耶も軍国日本のこの秋に無能力なる屍を晒せり
村肝の心静かに眼をさませ神の世に立つ日本の潮時
不徹底極まる邪教に踏み迷ひわが国体の尊貴を忘るる
万世一系天立君主の国体は日の本措きて地の上になし
高枕夜半を安けく眠り得る御国の恩を忘れざらまし
蛙鳴く日比谷ケ原に吹きおこる外山の嵐防ぐ術なき
国人の心すさびて日比谷野の蛙嵐に飛び散る春なり
風も吹け雨もふれふれ雷も轟け春のそなへある吾に
(「昭和」昭和八年三月号)