出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
東京日日新聞 昭和10年12月10日【夕刊】p2 参照文献検索
キーワード: 二次事件
 
本文    文字数=2929

綾部を首都に
統治者を僭称する
治維法適用説の根拠はこれ
大本教不敬の確証
大本教の内容に不敬の事実を突き止めた内務省は、検挙に慎重を期するため係りの事務官を左翼専任の永野事務官に変更し、一ケ月前同事務官は京都に急行、京都特高課同地裁検事とともに琵琶湖畔にアヂトを設けて専心大本教関係の文章を精査した結果、いよいよ最小範囲内におゐて大本教を不敬罪によつて絶滅し得る確信を持ち一方大審院と交渉して急に京都検事正の更迭を行つて大本教大検挙陣を編隊したものである、当局が大本教を日本人として許し得ぬ不敬教として弾圧するにゐたつた事実を列挙すると次の通り
一、大本教の根本教義よりして皇道の大本は、大本教にありとしそこに不敬罪以上の日本国民として最も忌むべき国体変革の思想を醸成《ぢやうせい》してゐる、当局が刑法第七十四条の不敬罪以上に死刑若しくは無期懲役に出来る治安維持法で罪にし得るといふ理由はここにある
二、かかる思想よりして出口は自己を日本における真の統治者としてゐる
三、自己の名前を○○といひ、信徒からかかる名あての手紙が数通発見されてゐる
四、信徒の査閲をする場合は○○○と称し、妻の澄子を参謀長としてゐる
五、特選出口王仁三郎○○○として辞令を出してゐる
六、信徒の家に出掛ける場合の行列を○○に擬し前駆後駆を付けてゐる
七、王仁三郎の周囲に近侍(女性)を置き宿所には警備員を置く
八、「国の鎮」と同調子の瑞垣の曲を奏せしめる
九、王仁三郎のことをいはせるのに大○の言葉を使用させる
十、あらゆる機会におゐて皇室を○○してゐる
十一、綾部を首都として高天原はここに再現されるといふ
十二、前駆後駆を付ける場合宮内省通牒と類似の文書形式を用ひてゐる(以上、内務省検閲済み)
検事局が検討開始
大本教の証拠品
大本教第二次大検挙で東京関係は四谷区愛住町を昭和神聖会本部ほか七ケ所を襲撃副統監出口宇知麿氏ほか関係幹部の大検挙と、十数台のトラツクに証拠品を満載押収したが、証拠品のみは、東京地方検事局に保管、思想部戸沢、長谷川、佐野、吉江検事等が一応検討を行つた、重要証拠品を選り出した上近日中に京都地方検事局へ送致することになり九日朝検討を開始した、しかしトラツク十数台分もある証拠品だけに三、四日は検討だけでもかかるものと見られてゐる