出口王仁三郎 文献検索

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原著名出版年月表題作者その他
朝日新聞 昭和10年12月12日 p11 参照文献検索
キーワード: 二次事件
 
本文    文字数=2310

「今に紙幣発行!」と
甘い信者を釣る
”邪教大本”の正体漸次暴露
笑へぬ悲喜劇続出
【京都電話】大本教検挙以来第四日目を迎へた十一日の情勢では家宅捜査を終るまでには尚五六日を要する見込みで膨大な証拠物件の整理に努めて居るが十一日王仁三郎の居室から百人一首に模した奇怪極まるカルタが現れたがそのカルタには不敬極まる歌と王仁三郎の一族の写真を配し殊に王仁三郎のカードの如きは御紋章類似の紋を付してある外電燈の笠や近侍の衣類まで同様の紋をつけてあることが判明し彼らの紋章の◎[注]十曜の紋にもそれぞれ恐るべき意味が含まれて居り今回検挙の核心の一をなすものといはれてゐる、尚、大本教が最も神聖視し容易に信者をも近づけなかつた月宮殿の内面も今回の検挙で発《あば》かれるに至つたが、内部の祭神といふのは神島神社五六七大神と紙に書かれたものと石塊が正面左右に置いてあり、その背後に王仁三郎の写真が置かれてゐた、神島といふのは瀬戸内海淡路島付近の小島で同教ではこれを祭神「艮金神」の島と称し王仁三郎一行は本年八月態々《わざわざ》同島に渡つて王仁三郎一代記の映画を撮影したこともあるが、同教では古事記等我国の神話を無理に曲解して神聖視せしめて居りここにもその背後には我国体と相容れざる地層が秘められてゐるものと云はれてゐる、更に大本教は所謂皇道経済と称する荒唐無稽の妄想的計画を唱へて信者の蒐集に資してゐたが、一説によると失業救済として北は北海道から南は九州に貫通する三十間の大道路建設計画を樹て又一千億円の御稜威紙幣を発行して税金を免ずるなどとまことしやかに宣伝したので狂信者の中にはやつと貯め込んだ貯金を引出し保険を解約して大本教に献金したものも多数あると云ふ全く嘘のやうな悲話も今回の検挙で事実が明かになつた
[注 ◎はスを表わす「○+ゝ」の記号]